FDAによって、アデュカヌマブ承認!
6時間ほど前のニュースです。
https://jp.reuters.com/article/biogen-alzheimers-fda-idJPKCN2DJ1ZH
条件付きとは言え、アメリカFDAで、
初めてのアルツハイマー治療薬が承認されました。
これまでの症状を緩和するといったクスリとは異なり、
根本原因に直接、影響を与える抗体医薬品です。
抗体医薬品とは
抗体医薬品とは、どんなものだと思いますか?
私たちは、体内に異物が入ってきたとき
たとえば、病原菌など、その異物と結合する
抗体というたんぱく質を作り出して、
異物を排除したり、無毒化したりして、
病気から自分を守っています。
いわゆる免疫機能ですね。
昨年のコロナ禍で、嫌と言うほど、聞きました。
この仕組みを利用して、
病気の原因物質に対する抗体を作り、体内に入れ、
病気の予防や治療を 行うクスリのことを「抗体医薬」と呼びます。
抗体医薬品は遺伝子組み換え技術を使う
抗体医薬は、遺伝子組み換え技術を使い、
ヒトの抗体に近い構造の抗体を作り、
ヒトの体内でも安全に機能するものです。
1998年に乳がんの抗体医薬「トラスツズマブ」が許可、
日本でも2008年、国産初の抗体医薬として
抗リウマチ薬、アクテムラが承認されました。
現在日米欧で70品目を超える抗体医薬品が承認されています。
がん治療や、自己免疫疾患を対象とするものが多かった中で、
今回、初めてアルツハイマー型認知症 の
抗体医薬品が承認されたわけです。
世界的に増加する認知症
今、認知症は世界で増加しています。
2019年現在、世界では4600万人。
日本では、600万人と言われていて、
先進国の中でも認知症患者割合がもっとも、高いと言われています。
さて、今回のアデュカヌマブは、
アルツハイマーの初期、もしくは前段階であるMCI(軽度認知障害)が
対象だとされています。
これに対して、
日本有数の脳神経内科医、長谷川嘉哉氏は
昨年、こんなことを述べています。
アデュカヌマブの原理は
アミロイドβを標的としている抗体医薬品であること、アルツハイマーの原因がアミロイドβだというのは
仮説にすぎないこと、いったん2019年に治験を中止していたのに、
再度、対象を調整し、高用量の投与し、
効果があったと申請し直したこと、抗体医薬品はどうしても高額になる、
1回100万で18回投与すると1800万円にもなる。
その負担をするに見合う価値があるのか、ターゲットである、MCI(軽度認知障害)は
全て がアルツハイマーになるわけではなく、
改善されていく人もいる、数は400万人と言われているが
それだけの数を治療対象にすることには無理がある。
なるほど、と思う点が多々あります。
アルツハイマー病の根本治療薬、というよりは、
予防薬に近い感じがしますね。
実はエーザイは「BAN2401」という予防薬の治験を
すでにスタートさせています。(https://selfmedico2020.com/archives/3471)
認知症でない人が、
認知症にならないために、死ぬまで飲み続けるクスリって
一体・・・・・??
医療はどんどん、高額になっていき、ゲノム、遺伝子組み換え、抗体など、
まだまだ、未知数の分野で目覚ましい発達を遂げていきつつあります。
一般人にはなかなか理解しづらいことも多くなります、
でも、あらかたの理解はもっていきたいものです。
いつ何時、この新薬、アルツハイマー予防薬を使ってみますか?
と聞かれる日が来るとしたら・・・・
どう判断するのか、
事前にアンテナくらいは立てておきたいものですね。
アデュカヌマブのメーカー
エーザイはどのくらい株価を上げるのでしょう?
★もっと知りたい、気になる記事はこちら
この記事へのコメントはありません。