「認知症」という大きな世界的課題
75歳以上の医療費自己負担額増額見送り
2割へ引き上げる、という最終報告が
野党の反対からまとまらず、結論は先送りとなったようです。
1割から2割に引き上げ、ということは
支払う側に立てば、窓口支払い金額が倍になるわけで、かなり深刻。
父が未だ生きていたころ
毎月、香川医大まで診察に連れていったけれど、
検査などがあると、支払いが1万近くかかった覚えがあります。
それが2万になるわけですね。
国が言う年収170万円以上という対象者に
2割の増額は厳しいんじゃないかと、やはり感じます。
長谷川和夫さんのこと
さて、40年以上前に
長谷川式簡易知能評価スケールを作った
長谷川和夫氏、
自分も認知症になったことを公表していますね。
最近、娘の南高まりさんが
読売新聞のインタービューに
応えている記事がありました。
その中に
長谷川和夫さん自身の言葉が
いくつが上がっていました。
自分が認知症になり、
私もようやく本物の認知症研究者に
なれたのではないかと思っています。認知症の症状が進んできている
という自覚はあります、
しかし、自分自身は変わっていないと思うこともあります。過去の記憶がすっぽり抜けても、
不安に思うことはありません。
なぜならば、あなたの周りが
それらを覚えていてくれているからです。
ご自分の病気を静かに
受け容れている姿がそこにあります。
デイサービスで入浴させてもらい
その快適さに「王侯貴族のようだ」とご満悦だったとか。
長谷川さんは、
「痴ほう症」という侮蔑的な言葉から
「認知症」という病名に変えることにも
尽力された方です。
また、認知症患者本人の視点に立ってケアを行う
「パーソン・センタード・ケア」の普及にも
たいへん力を注がれました。
母もお世話になったパーソン・センタード・ケア
初め、彼が認知症になった、という記事を見た時は
なんと皮肉な・・・と いう、
ややマイナーな印象を持ってしまったけれど、
今のご様子をうかがうと、
まさに、
「本物の認知症研究者になれた」
という言葉が決して虚勢を張っているわけじゃない、
そのまんまのお気持ちなのかなと
なんだか、腑に落ちる気がしました。
イギリス生まれの「パーソン・セン タード・ケア」は
私の母が生前、お世話になっていたグループホームでも
取り入れていた介護方法でした。
長谷川さんの言葉の数々からふっと母を思い出しました。
認知症になった人を
可愛そうだと見ないでほしい、
認知症になったからこそ
わかる世界がある、と
母を介護し見送った今、そんな気がしています。
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