「安楽死」という問題
ALS患者に薬物投与、というショッキングなニュースが昨日流れていました。
嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕。
日本では安楽死は認められていないので、自殺幇助ではなくて、
嘱託殺人、ということになるのですね。
安楽死、尊厳死の問題はこれまでにも盛んに論じられてきました。
しかし、日本は今の所、認めていません。
安楽死を認めている国
海外で認めている国は、
- ベルギー
- オランダ
- スイス
- アメリカ
- ルクセンブルグ
- カナダ
- オーストラリア(ビクトリア州)
- 韓国
と思ったよりも多いです。
さて、この中で、
自国の人以外の安楽死も認めているのは、スイスだけです。
ここには、医師が作った自殺幇助団体があり、
年間80人の外国人の自殺幇助が行われているそうです。
この団体の会員は世界中で1660人、その中で日本人も17人います。(2019年4月時点)
もちろん、
「医師の診断書」と「自殺幇助を希望する動機書」が必要で、
審査基準は、
- 耐え難い苦痛
- 回復の見込みがない
- 代替治療がない
- 本人の明確な意思がある
ということです。
実は日本人も1人、この自殺幇助を希望して安楽死を遂げていますね。
『安楽死を遂げた日本人』(小学館)昨年6月に発行されています。
マリーケ・フェルフートさんの場合
パラリンピックで金を含む4つのメダルを獲得した、
車椅子陸上選手のマリーケ・フェルフートさんが、
宣言どおり安楽死を遂げたのは昨年の10月22日、享年40歳。
マリーケさんの住む、ベルギーでは安楽死は合法化されています。
マリーケさんは、ここ数年、モルヒネなど強力な鎮痛剤を
片時も切らせることができないほどの激痛に苛まれながら、
それでも「夢」を書き連ねた「やりたいことリスト」を作り、着々と実行していったと言います。
夢があるから、脳内アドレナリンがあるから生きていられる
と語っていたそうです。
安楽死という方法があったから、生きる力が湧いてきた
その言葉どおり、
最後まで、夢を持つことを諦めなかったといいます。
”ランポールギーニ”に乗るという夢も、
活動で集めた資金で同じような障害を持つ人を支える仕組みも
次々と叶えていったそうです。
そして、
愛する人たちへ丁寧な別れを告げて、みんなが「その時」を受け入れられるよう
十分な時間をかけて、最後まで前向きに生き抜いた、と
彼女を取材した、ブリュッセル在住のジャーナリスト佐々木田鶴さんが書いています。
嬉々として自ら操縦桿を握り、夢を叶えながら、前向きに生き抜いた
このフレーズが胸に迫り、これも自分がハンドルを握る、
つまりセルフメディコじゃないか、と
とても、考えさせられました。
ベルギーでは、安楽死が合法化された2002年から
毎年、約2000人が安楽死で最後を迎えているそうです。
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