「臓器別診療」という言葉を
和田秀樹医師が書いていらっしゃって、
なるほど、確かに、と膝を打ちました。
和田秀樹さんと言えば、
東大医学部出身の精神科医ですが、
とてもユニークな医師で、
本もたくさん出版されているので、
ご存じの方も多いでしょう。
さて、1970年ごろから始まった
と言われる、この「臓器別診療」
専門医が増えすぎて、
ひとつの病気に対しては、
ものすごく細かな部分まで
診てもらえるようになりましたが、
当然、その弊害もたくさんあります。
いわゆる臓器を見て、人を見ない、
ということです。
高齢になると、
ひとつの病気だけじゃなく、
複数の病気を持つようになり、
それぞれの病気に対して
それぞれの専門医が薬を処方すれば、
どうしても多剤併用になってしまいます。
ポリファーマシーという言葉がありますね。
5,6種類以上の処方をそう呼びますが、
日本の高齢者の約半数が
ポリファーマシーの状態だと言われています。
そういえば、亡くなった母が
以前飲んでた薬を数えてみたら
9種類の薬を飲んでいて、
驚いたことがありました。
「臓器別診療」と対立するのは
「総合診療」です。
ところが、日本には
この総合診療を専門とする医者が
本当に少ないのです。
2018年に新専門医制度がスタートし、
総合診療専門医の養成を
その目的の一つとしていました。
しかし、2018年度は
その総合医療の専攻医はたった184人。
2019年も179人。
2022年にようやく250人にまで増えたそうですが、
25年4月時点で計937名!
全専攻医に占める割合は
たったの3%未満なのだとか。
欧米ではこの総合診療専門医が
住民2000人に1人くらい必要とされています。
ということは、
人口1億2000万人の日本では、
約6万人が必要だ、という計算になりますね。
日本の医療は、いびつだと
和田先生はおしゃいます。
専門医ばかり多くて、
総合的に人を見る医者が少なすぎる。
おまけに、総合診療をやる上で絶対に必要な
カウンセリングの手法や精神療法を学ぶ学校が
ひとつもない、と。
日本にある82の大学医学部の中に
たったひとつもない、というのです。
なるほどなぁ、
それでは患者の顔も見ず
パソコンばかりを見ている医師が増えても
不思議はないなあ、とため息が出ました。
これは精神科でも全く同じだそうです。
検査数値の見方、脳内ホルモンの研究データ、
そんな勉強ばかりで、
患者とどう対話するか、など
学ぶ場は、ほぼゼロだそうです。
私たちは医療を受ける場合、
そういう日本の医療の実情を
ちゃんと知っておく必要があります。
病院に、こころの治療を求めても
もともと無理なのだ、という事実です。
私たちは自分と家族、大切な人を守るため、
今、何に目を向ける必要があるのでしょうか。
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