元気塾Blog

ちょっと変わった色覚『エリックの赤・緑』

色覚多様性という言葉を
初めて知ったのが3年ほど前のこと。

かつては色弱とか色盲と呼ばれた人たちを、
医療用語でも「色覚異常」と呼び、
多くの人が「劣った色覚」「色の見分けのできない障害」
のように感じてきました。

しかし、21世紀になって
研究が大きく進み、
ヒトの色覚は多様性の一つだと
明らかになってきました。

現在、男性の5~8%、女性の0.3%とされる
少数色覚者は、
狙った獲物など鋭く発見できるなど
特別な能力を備えた重要な存在で、

遺伝により一定数存在するよう
保たれてきた、という考え方です。

自閉症に対する考え方と
似ていますね。

しかし、残念ながら、
日本では長い間、色覚多様性の人たちを
「色盲」という言葉で
職業上、排除してきた歴史があります。

鉄道や船舶などの仕事です。

戦後もその差別は続き、
公務員採用からの排除、
企業などの採用拒否、
学校の入学拒否など、

20世紀末には
世界に類を見ないほどの
「少数色覚者への差別大国」となりました。

2001年になって
ようやく国は「色覚異常と判定される人でも
大半の業務は差し支えない」などと発表し、

雇用時健康診断での色覚検査を廃止、
2003年からは
学校での一律検査もなくなりました。

ところが、2014年ごろから
再び、学校での検査が推奨され始めます。

今もなお、
医療用語では「色覚異常」のままです。

「色覚多様性」ー少数色覚の理解と
その広がりのために、と
尾家宏昭氏が
「しきかく学習カラーメイト」というグループを作り、

色の見え方の違いを学習できる
教材を作ろうとしています。

2021年7月、米国で出版された絵本、
「エリックの赤・緑」を翻訳発刊しました。

少数色覚の主人公が
クラス名と共に、
より良く過ごして行くための方法を見つけていく
といったストーリーだそうです。

日本人男性の5%と言えば
20人に1人です。

でも、私はこれまで会った男性から
自分は色弱、もしくは色盲で、などと
言われたことが一度もないことに
改めて、ハッと気づきました。

自由にそう言えない社会だった?

なので誰も本当のことが分からない・・・

そういうことだったのか、と
改めて感じました。

知ることから、が
まずスタートですね。

 

もっと知りたい、気になる記事はこちら。


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