元気塾Blog

「細胞培養」という不思議な食べ物

 

食べ物をどう考えるのか

何を食べるか、よりも、いかに食べるか

何を食べるか、よりも、いかに食べるかが大事だ
と言った人がいました。

今は亡き、小林正観氏です。

心理学博士、教育学博士であり
多くの本を書かれた著作家でした。

彼は、美味いと評判の店に行くことはやめて、
めったに客の入らない
流行っていない店に行くことを
勧めていました。

え~~~!何故?

と思いますよね?

1日100人も客の来る店では
自分が食べる一食は店にとっての100分の1。

でも流行らない店で
1日仮に3人しか来なかったら、
自分が食べて支払うお金は
店にとっての3分の1の価値になる。

つまり喜ばれるから、と。

でも流行らない店は、
不味いからじゃないですか?
感謝されたとしても、不味いのはやっぱり・・・・
と問われて、彼が答えたのはこうでした。

器の淵に手を添えて、
私の血や肉になってくださって
ありがとうございます、と

口にして、感謝して食べると、
私にとっては美味い食事に変る、と。

うーん、一理はあるかもだけど・・・

やっぱり不味いもんは不味いよなぁと
不思議な気持ちでした。

今、彼が生きていたら、
今の食の大きな変わりようを
どう評するのだろうか、と
ふと思ってしまいました。

植物から作る代替肉

大豆など植物から作る
代替肉は
すでにポピュラーなものとなってきました。

ベジタリアンやビーガンにも
受け容れられ、広がりつつあります。

細胞から作る培養肉

そして今、
細胞培養肉というのが
生まれつつあります。

これは牛などの細胞を
体外で培養して作る「肉」です。

昨年3月、東京大学と日清が共同で
研究開発している、
この培養肉の試食会がありました。

培養肉の、世界で初めての試食会は
2013年にイギリスで行われています。

オランダのマーストリヒト大学、マークポスト教授らの
研究チームが開発した
人工肉ハンバーガーだったそうです。

なんと1個のハンバーガーが
3000万円というコストでも騒がれました。
もちろん、
まだまだ実用化はされていません。

コオロギ食も

しかし今、世界中で研究されているのは
非常に大きな利益を生む可能性を秘めた
新産業だから、でしょう。

ここでも、コオロギ食と同じく、

1.人口増加、食料難の未来予想
2.環境問題(SDGs)への解決策

が、錦の御旗のように語られています。

そしてもう一つの
3.動物愛護の観点から

というのが付け加えられます。

もちろん、安全性や健康への問題点など
賛否両論、
まだ何もわかっていない状況です。

培養肉、何が問題か

培養肉を作るため
最もコストがかかるのが
培養液だそうです。

栄養となるアミノ酸やホルモンの添加、
ウシの胎児の血清、
もしくは人工的に作られた血清の利用など、

細胞の増殖に必要な様々な研究が
進んでいるとのことです。

牧場ではなく工場で肉が作られる、
そんな時代が本当にやってくるとしたら、

いえ、肉だけじゃなく
全ての食品を細胞から培養しようという
日本細胞農業協会というものまで
すでに設立されています(2019年10月)

食の変化は意識の変化へ

食がそんなふうに変化していくと、
私たちは
命を頂いている、という感謝をもって
「いただきます」と
手を合わせる習慣も

だんだん、薄れていってしまうのではないか、

「いかに食べるか」という意識が
どんどん、希薄になっていくのではないか、

私は、そんな不気味さを感じてしまいました。

あなたはどう思いますか?

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