化学物質過敏症とは
ケミカルセンシビリティ、
CSと呼ばれますが、化学物質過敏症のことです。
欧米では、MCS、
頭にMultiple、多種類とつくことが多いそうです。
3年前のメルマガで、
香害のことを初めて書きました。
柔軟剤の匂いに悩まされる人が増えている、
という内容でした。
柔軟剤など香害、増加!
国民生活センターへ訴える人が増えています。
- 2008年 14件
- 2012年 65件
- 2013年 331件
騒音被害などには
デシペルなど、
音の大きさを測る単位があり、
それによって規制することができます。
60デシペル以上だとかなりうるさい状態です。
しかし、匂いには
いわゆるそういった単位がありません。
ご存知でしたか?
匂いの被害に関する法律には
悪臭防止法というものがあります。
その中では
特定悪臭物質というものを決めています。
アンモニア(し尿臭)とか
トリメチルアミン(腐った魚などの匂い)とか
読むだけで、臭そうですね。
でも、
柔軟剤の匂いを取り締まる法律はどこにもありません。
香害なくす連絡会
香害をなくす連絡会という民間団体が
昨年の12月下旬から今年3月まで、
大規模アンケートを実施しました。
回収総数、9332件。
この中で、
匂いによって体調不良になったことがある、約8割、
その内容は、頭痛、吐き気、めまい、
原因となる場所は、
乗り物の中、学校、お店、
隣家の洗濯物の匂い、など。
体調不良になったことのある人の中で
約2割の人が、
仕事を休んだ、
職を失った、
学校にいけなくなった、
幼稚園にいけなくなった、
など、社会生活にまで
深刻な影響をもたらしたことが
浮き彫りになっています。
しかし病院へいっても、
更年期やウツ、自律神経失調症など、
と診断されることが多く、
明らかに体調不良があっても、
医師から異常なしと言われ、
家族や同僚からも理解してもらえず、
症状だけでなく、孤独にも苦しめられる人が多いのです。
化学物質過敏症、CSは
2009年になって、ようやく病名リストに登録されました。
CSはアレルギーなので、
ある日、突然花粉症になるように、
誰にでも発症の可能性があります。
アメリカの調査では、人口の13%〜16%(2000年)
日本は、可能性があるのが2%となってますが、
本格的な調査はされておらず、
おそらく潜在患者はもっと多いだろうと
予測されています。
化学物質、今もまだ増え続ける
20世紀の終わりには、
10万種類と言われた化学物質が
2009年、5000万を超え、
2013年の時点で、7100万種を超えました。
(『有害化学物質の話』井田徹治著 PHP研究所)
毎年いかに多くの化学物質が登録されているか、
想像を絶する数だと思いませんか?
1997年の米国NGO環境防衛基金から
発表された「毒性の無知」では、現在出回っている化学物質の中で、
量として75%に当たるものについて、
基本的な毒性テストの結果すら公開されていない
とありました。
この発表から20年以上過ぎた今、
この75%が、どんな数字になっているのか、
想像すると、ちょっと寒気がします。
たかが、柔軟剤の匂い、
という問題ではありません。
CSは「坑道のカナリア」なのです。
一般の人よりも敏感なカナリアが
この坑道は毒に満ちていることを、
教えてくれているのです。
あっという間に広がったアトピーや花粉症のように、
人口の大半の人が
CSになる近未来が来るとしたら・・・
私たちに、今できることは何でしょうか。
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