元気塾Blog

エビデンスの終焉

ebidens

■『なぜEBNは神格化されたのか
誰も教えなかったエビデンスに基づく医学の歴史』
大脇幸志郎著

値段を見てビックリしました。
5720円。

この著者は東大医学部卒でありながら、
出版社勤務したり、回り道をしてから
医師になったという、ちょっと変わった経歴の持ち主。

うーん、読んでみたい気もするけど、
やたら部厚そうで、難しそう・・・・
それに高価いしなぁ・・・と
躊躇していたら、

さすが、森田洋之先生が、
この本をテーマに動画を作っていらっしゃいました。

EBM、エビデンスベースドメディスンの略ですね。
科学的根拠と訳します。
エビデンスという言葉が
広く使われるようになったのが1990年代。

前に日本のある女医が
「現代医学という宗教、
エビデンスという神様」という
痛烈な言葉をブログに書いていらっしゃいましたが、

今回は、もっと痛烈でした。

森田医師は「EBMの終焉」という言葉を使っていました。

その根拠は動画でいろいろ話してくださってますが、
一番、私の心に響いたのは、
今回のコロナ騒動、
2019年から始まり5年が過ぎて、
まだ何もわかってない状態・・・・
一体なにが原因なのか、

それは膨大過ぎる論文の量だと言います。
今年の4月時点で、関連論文数は12万8952本になり、
2020年、1933本だったのに比べ、
物凄い増加、爆発的ともいえる論文の数、なのです。

これ単純計算しても、毎日353本の論文を
1年間読まないと消化できない量です。

絶対に1人で読み切れないほどの論文数、
この論文の中には、全く反対内容のものも多くあるが
それをチョイスする力が人間にあるのか、という問題。

情報量は多くなれば、選択することすら
難しい状態になるのは、
なにもシーナ・アイエンガーの『選択の科学』を
引き合いに出さなくても、
素人が考えても分かりそうなものです。

情報が適量にある時、
私たちはより良い選択ができるけれど
情報がありすぎたとき、
それは選択という機能自体にストップがかかる、

つまり選べない状態になる、ということ。

こうなったら、エビデンスなど
ないに等しい、ということです。

なるほど、
ここまで言い切られると、
ある種の虚しさがあるけれど、
納得感は、やはりあります。

なんとなく、うさん臭く感じてきた
エビデンスという言葉。

つまり科学的根拠というもの、
もう一度、この言葉自体を疑ってみたいものです。

 

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