「うーん、それはちょっと難しいなぁ・・・」
何か企画を出して、
上司からこう言われたら、
どう受け取りますか?
あ、これじゃダメってことか、
と受け取る人が多いのではないでしょうか?
でも、言葉どおりに受け取ると
「ちょっと難しい」のだから、
もう少し改良すればOKかも、と
思っても良いわけです。
実際にそう対応したアメリカ人がいて、
数日後、改良策を出したところ、
上司から、「え?それはもういいよ」と言われ、
双方どちらも憮然としてしまったという話。
エドワード・T・ホールは著書、
『文化を超えて』の中で
ハイコンテクスト型とローコンテクスト型に
世界を分類しています。
ハイコンテクストとは、日本に代表される
いわゆる空気を読む、という文化。
対して、ローコンテクストとは
アメリカ、イギリスに代表される英語圏での
言葉を重視した文化。
先日、パッシブ・アグレッシブという言葉を聞いて、
その例文を読めば読むほど、
これって日本人のことじゃん、と思ってしまいました。
パッシブ・アグレッシブとは受動攻撃といい、
直接は対立せずに、
態度や表情で相手を攻撃することを言います。
ハイコンテクストな日本は、ちょっとした表情や
言い方で、相手の気持ちを察する、
もしくは察することを要求される、という文化でした。
ダメだ、と言われなくても
ちょっとね・・・と言われたら、
ダメってことだと察するもんだ、という暗黙の了解。
もちろん、相手への思いやりや
配慮は、察する文化の良い面です。
でも、それが悪い方向へ働きだすと
まさにパッシブ・アグレッシブ「受動攻撃」になり、
これは本当に人間関係を悪化させます。
嫌な上司に対して
表面上は「ハイ」と言いながら、
仕事の手を抜く、またはサボタージュする、
嫌なことを「嫌です」とは言わず、
溜息をついたり、めそめそして被害者になりたがる、
直接言わずに、陰で悪口を言う、
噂話をする、
職場でこういうことが起きると
その環境は一気に悪くなり、生産性は落ちます。
職場でなくても、ご近所で
「お宅のお嬢さん、本当にピアノ上手ですね」
と言われたら、
それは「音がうるさい」
ということだという例がありました。
え~~~そうなの?
と、私はのけぞってしまいました。
アメリカでは、パッシブ・アグレッシブは
とても嫌われ、評価も下がります。
しかし日本で、このパッシブ・アグレッシブについて
あまり取りざたされないのは、
やはり、日本人気質がそもそも
パッシブ・アグレッシブだから、じゃないでしょうか。
ハイコンテクスト文化は、
コンテクスト、つまり知識、文化、価値観、言語などが
共通認識となっている状況を指します。
しかし、今、どうでしょう、
リモートワークやテレワークが増え、
平成生まれの人たちが会社員となり、
海外からの労働者も増え、
価値観の多様性が目立つようになり、
ハイコンテクスト文化は
あちこちで通用しなくなっている気がします。
私たちは、今、
ローコンテクストなコミュニケーションを
学び直す必要がある、
そんな時代に生きているような気がします。
あなたの職場には、
パッシブ・アグレッシブな人、いませんか?
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