「言友会」という自助グループがあります。
吃音者(どもる人)で作るセルフ・ヘルプ・グループです。
1966年に創立されたそうで、
かなり古くからある自助グループですが、
ほんの2~3年前に、
私はひょんなことから、その存在を知りました。
1976年、このグループは、
「吃音者宣言」というものを掲げています。
「いつか治るという期待と、
どもりさえ治ればすべてが解決するという
自分自身への甘えから、私たちは
人生の出発を遅らせてきた、
どもりが治ってからの人生を夢見るより、
どもりを持ったままの生き方を確立する」
こういった宣言でした。
これを読んだ時、
ちょっとドキッとしました。
実は、3年ほど前、
九州大学の菊池良和医師のことを
西日本新聞のコラムで知りました。
ご自身も吃音者であり、
それを治したくて医師になったという方です。
とても興味深いコラムでした。
その中に、
症状と困り感は違う、とありました。
見た目の程度と、本人自身の困り感は
比例しない、というのです。
聞き手の無理解がある時、
はじめて、困り感が生じ始めるのだそうです。
吃音そのものをどうにかする、というよりも、
吃音があっても自信をもって成長できるための
寛容な家庭、学校、社会の存在が大切なんだ、
ということを書かれていました。
吃音は、その当事者だけじゃなくて、
その親まで、育て方などで
社会的に責めを負ったりする、
吃音に対する差別感情は、
想像以上に厳しいものがあります。
2013年に、北海道の看護師(34歳)が
吃音を理由に職場の病院で
不当な扱いを受け、自殺する、
という事件が起きました。
2020年、7年もかかって
ようやく労災が認められた事件で
記憶に残っている人も多いかもしれません。
実は私の父も若いころ、
吃音だったようで、
亡くなってから出てきた日記に、
そのせいで、悩んだことが生々しく記されていて、
とても驚いた記憶があります。
「どもりが治ってからの人生を夢見るより、
どもりを持ったままの生き方を確立する」
この宣言が出てから、49年。
今の日本は、吃音者にとって、
少しでも生き易い社会に
なってきているのでしょうか。
もっと知りたい、気になる記事はコチラ















この記事へのコメントはありません。