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「医療保護入院」という巨大権力

40年間に渡る長期強制入院

伊藤時男さん(69)が
国に3300万円の損害賠償を求めて東京地検に提訴しました。
(9月30日の毎日新聞より)

40年間!!

1968年、16歳の時に統合失調症を発症し、
都内の精神病院に入院、
その後、福島県の病院に医療保護入院。
2011年の東日本大震災で
その病院が閉鎖されるまで、入院が続いたと言います。

精神障碍者の隔離政策

1964年に、統合失調症の少年が起こした傷害事件をきっかけとして、
当時、国は精神障がい者の隔離収容政策を進めていました。

欧米諸国では55年くらいから、人権侵害にあたるとして、
隔離収容政策をやめ、
地域生活・地域医療へと変換を図っていたのに、
日本は真逆の政策をとっていたわけです。

68年、WHOが日本の精神医療の実態を
調査して、勧告を行っています。

そしてようやく1987年、精神保健法が成立。
患者の社会復帰促進が初めて明確に
打ち出されることとなりました。

しかし、
現在、精神疾患で医療を受けるものは400万人を超え、
精神病院への入院患者数は28万人。精神病床は34万床あり、
なんと、世界の5分の1を占めています。(2017年時点)

医療保護入院は今も続く

今年の1月「多摩病院」を退院した米田恵子さん。
2016年から4年間、治療もないのに、
強制入院を強いられていた女性です。

4年間、外部との接触は一切なし、面会どころか電話も、メールも禁止、
唯一の連絡は手紙だけだったと言います。
1月30日、彼女は日本弁護士連合会へ人権救済の申立書を提出しました。

「医療保護入院」

精神保健福祉法が定める強制入院の一つです。

家族1名の同意と、精神保健指定医1名の診断があれば、
それで強制的に入院させることができます。
しかも、入院期間の定めもありません。
これは一種の巨大な「権力」です。

患者にとってあまりに不利益が大きすぎる制度として
今、問題視されています。

2018年度の医療保護入院の届け出は
18万7683件と、
1990年代前半の6万件前後と比べ、3倍以上に膨らんでいます。

どうしてこんな状況が今も続いているのか。

障がい者・病人・マイノリティを受け容れない社会

そこには、障碍者やマイノリティを、受け容れない社会の問題があります。
目の見えない場所へ隔離して、
見ぬふりをしている、大半の日本人がそこにいるわけです。

なんだか、今日は暗い話題になって
ごめんなさい。

でも、日本のこの暗い闇の部分は、
私たち一人ひとりが知っておくべき現実です。
もしかしたら、
自分が、自分の家族が、自分の友人が、そんな目に合うとしたら、
どんなに辛い、理不尽な怒りを感じるでしょうか。

伊藤時雄さんの提訴と
米田恵子さんが声を上げたことが、
この先、どれだけ多くの人の希望につながるのか、

しっかりと見ていきたいものです。

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