患者副作用報告の受付開始
さて、2019年3月、
厚労省は患者副作用報告を受付開始しました。
患者副作用報告って??
つまり、薬を使っている患者自身が
副作用を経験した時直接、それを報告できる仕組み、ですね。
それって
今まで無かったんですか?と改めて驚きました。
2012年から試験的に行われていた
調べてみると2012年3月から
試験的にPMDAでは行われていました。
PMDAとは独立行政法人
医薬品医療機器総合機構のことです。
医薬品と医療機器についての
安全性情報を出したり
不具合機器の回収情報などを出しています。
ということは2012年までは全く無かったわけです。
それまで、副作用情報は
どうやら製薬メーカーへ苦情が行き、
その後、製薬メーカーからPMDAへ報告が行き、
添付文書が変更される、という流れだったようです。
2010年に起きた薬害肝炎事件、
血液製剤からC型肝炎が広がった、あの事件ですね、
これがきっかけとなり、
患者副作用報告の必要性が指摘されたということらしいです。
海外でもすでにこういった
患者副作用報告は制度化されています。
アメリカが1993年から
イギリスは2003年から。
2012年3月から17年度末までの
報告件数は717件です。
年間、約120件ですか・・・
そしてその試験段階を終え
今年3月から本格的にスタートした患者副作用報告、
それまではWEBでの報告のみだったのが
文書郵送でもOKとなりました。
当たり前でしょう、と思いませんか?
4ヶ月で83例
7月末の段階で、つまり4ヶ月で
すでに83例だとの発表がありました。
精神神経用剤 31件
催眠鎮静、抗不安剤 31件
抗てんかん剤 7件
また、全症例のうち未回復、後遺症あり、死亡の
いずれかに該当するものが47例、となっています。
PMDAはこれらの報告から個人情報を削除しデータ化して
厚労省とリアルタイムで共有する、ということです。
製薬メーカーの副作用報告漏れ?
これで製薬メーカーの副作用報告漏れに
ストップがかかって欲しいと切に願います。
製薬メーカーの副作用報告漏れは
ちょっと驚くような数字です。
2014年から2017年のわずか3年足らずの間に
製薬会社9社13件の報告漏れが発覚、
このうち4社7件について行政処分がおりています。
報告漏れの症例数は全部で5500例もあったといいます。
ノバルティス社に至っては
2015年2月26製品について3264例もの報告漏れが発覚。
副作用報告義務違反では初めての
業務停止命令(15日間)が出ています。
なのに、同年11月またもや、ノバルティスは
57製品で5475件の報告漏れです。
この時も業務改善命令が出ています。
報告漏れ、というより、
はっきり報告隠し、
と言って欲しいくらいです。
こういう現実を知ってあなたはどう感じますか?
メーカーは報告をクレーマー扱い?
そう言えば、ある元気塾で、
薬の副作用を、メーカーへ連絡したら
クレーマーのように扱われたと怒っている人がいました。
文句を言うというよりも、事実を知って、
改善するなり、添付文書に書くなり
対策をこうじて欲しかっただけなのに、と悔しがっていました。
直接PMDAへ出せる患者副作用報告なら
そんな不快な思いをせずにすむだけでもいいですね。
期待したい制度です。
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斯様な制度が出来たのですね。
今日、長野は夏空です。