人間は機械なのか?
何を急に、と言われそうですが、
この人間機械論というのは、
18世紀のフランスの哲学者、
ジュリアン・オフレ・ド・ラ・メトリーの
『人間機械論』という著書から
来ているようです。
人間をコンピューターのような
機械とみなす思想・哲学などの
立場を総称している考えかたです。
機械なので、
壊れた部分は修繕する必要がある、
という考え方。
機械だから、
それが壊れると
それでオシマイ、
来世も魂もない、という考え方。
そんなバカな、と
思う人が
今は多いと思いますが、
それでも、
私たちは無意識のうちに、
この「人間機械論」に
強く影響されています。
人を機械のように
ここが変だ、
ここを直す必要がある、
というように、
部品的に見ていることがあります。
現代医療は、どちらかと言えば
まさに、人間機械論的ですね。
壊れていないものは直さない
しかし、
コーチングの考え方の中には
「壊れていないものは直さない」
というテーゼがあります。
人間は機械ではなく
複雑系であるから、
うまくいくときも、
いかないときもある、
機械であれば
部品が欠損したら壊れ続ける、
そこを直さない限り、
絶対によくはならない、
しかし人間というのは、
そういうものではなく
なにかの拍子にうまくいったり、
また逆にだめだったりする生き物だ、
という
人間を見る時の大前提のことです。
したがって
原因探し、犯人探しをしない、
良い悪いを決めない、
という姿勢でクライアントさんに対面します。
コーチからの視点を変える質問
「もしも一歩進めたら、
そこでは
何が起きているでしょう?」
とコーチから質問された時のことを
よく覚えています。
どうして一歩が出ないのか
何故、行動できないのか、と
当時、
自分に問いかけていた私は、
いつの間にか、
自分を機械のように捉え、
その中のどの部品が悪いのか、
原因探しをしていたのです。
悪い部品を見つけ
修繕しようと探していたわけです。
コーチのその質問で、
私は、ハッとしました。
もしも一歩進めたら、
そこでは、何が起きているだろう?
周りの人はなんと言ってくれるだろう?
自分の体の感覚はどう変わっているだろう?
どんな気分だろう?
ああ、前にもこんな気分の時があったな・・・
常に人の内部では
変化が起きている
それを前提に
コーチする、
固定的な機械ではない
生きた人間を相手にしている
その大切さを教えてくれたコーチの
質問でした。
人間機械論もある意味、
時代の「常識」だったのかもしれません。
私たちは気づかないまま
様々な時代の「常識」に囚われています。
自分では気づけないことも
質問されることで
気づくことができます。
コーチの一番大切な
役割かもしれませんね。
あなたは、自分の常識を
どうやって日々、精査していますか?
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