いまだに続いている
戦後最大規模の食品公害。
「カネミ油症事件」
1968年10月の出来事でした。
すでに56年が過ぎたわけです。
56歳以下の人にとっては、
歴史の中の出来事、なのかもしれませんね。
当時は健康に良いと評判だった
食用米ぬか油に、
ポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入、
これを口にした人から、
皮膚異常や、内臓疾患、
そして肌の黒い赤ちゃんが生まれ、
大きな社会的問題になった事件でした。
なんとなく過去の事件、
済んだこと、だと思ってたのが、
今も、新たな認定患者が増えている、
と知って驚きました。
当時も1万4千人が被害を訴えていましたが、
2011年以前は、認定患者数は1966人、
2014年で、2256人
2018年度末時点で2329人。
2021年3月段階で、2353人。
そして
2023年3月段階で、2370人。
2021年8月から
国は、認定者の子ども、孫など次世代の
健康状態を確認する初の調査を
始めることを正式に決めました。
2021年になって、
やっとですか・・・
驚きました。
ダイオキシン類が母親のへその緒から
胎児に移行するとは、
2005年の調査ですでにわかっていることでした。
(https://www.env.go.jp/chemi/report/h17-19/01.pdf)
これは2020年に、14の患者団体でつくる
「カネミ油症被害者全国連絡会」が
認定患者の子や孫へアンケートを実施し、
その結果、倦怠感、腰痛、皮膚疾患など
認定患者と似た症状を訴える人の割合が
一般成人より高いことが判明したため、
国による調査を求めていたからです。
それでようやく、2021年の調査となりました。
いつも
国や、各省庁を動かすのは、
被害者の会や、それを支えるボランティアや
一般市民の地味な活動なわけです。
それを思うと
この56年間に渡る被害者の皆さんの活動は
いかに大変なご苦労続きであったのだろうと、
胸が痛くなります。
2023年、6月に
調査結果が一部出ています。
口唇口蓋裂が1%と
通常の発生率0.2%に比べ
明らかに多かったと報告されました。
その他、低体重出生率などについても
解析を進めているということです。
今後、調査の結果、どうなっていくのか、
しっかり関心をもって見ていきたいものです。
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