日本は察する文化、と言われています。
別の言葉で言うと、
ハイコンテクスト文化とも言います。
コンテクストとは、
文脈、状況、前後関係などのこと。
つまり、ハイコンテクストとは、
相手の仕草や声色、非言語に含まれる意図を
察し合う文化のことで、
日本は、世界1ハイコンテクストな文化を持つ国だ
と言われています。
しかし今、それが必ずしも
良い事ばかりでない、
と言われることが多々あります。
婉曲的な表現や、語尾を濁す言い方、
それらは、察してあげるというよりも、
察してもらいたがっている、
相手に察することを強要している、
とも受け取れます。
最近の受講生さんの中で
それを「うざい」と言った人がいます。
20代の男性でした。
「僕の彼女は、ちゃんと自分の口で言わずに
僕に察してもらいたいオーラを出しまくる、
それが、うざい!」
なるほどなぁと、思いました。
似たような価値観、似たような背景、
共通の体感覚などがある場合、
察する文化は、言語に頼る部分が少なく、
言うところの「あうんの呼吸」で済みます。
長年、連れ添ったご夫婦が
「あれ、それ」で全ての要件が伝わるような状況です。
でも考えてみると、
もしかしたら長年連れ添ったからこそ、
1を聴いて100くらいも
分かるようになったのかもしれません。
最初は、すれ違ったり、間違ったりを
繰り返したのかもしれません。
そうやって作りあげた「あうんの呼吸」なのだとしたら、
付き合いはじめたばかりの彼氏に
察することを強要する、というのは
たしかに「うざい」と思われてもしょうがないなぁ、
などと思ってしまいました。
率直に伝える技術は
今の日本人が、
まず身に付ける必要のある課題、
なのかもしれないと思います。
ハイコンテクスト文化の中で
育ってきた私たちは
もしかしたら、察することが上手なぶん、
相手にもそれを求めてしまい、
うざがられることもある、
と知っておく必要があるからです。
言葉に帰る、という言い方を
私はよくすることがあります。
言葉の裏を察する力を磨くことより、
今、私たちは率直な「言葉」そのものを、
受け取る力、発する力を
もつことが大事だと感じています。
一緒に考えてみませんか?
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