書店員が選ぶノンフィクション大賞2025
第24回新潮ドキュメント賞
第13回河合隼雄学芸賞
3冠達成のベストセラーになった本、
『僕には鳥の言葉が分かる』 鈴木俊貴(著)
2025年1月に発売されました。
先日はTV情熱大陸にも登場されたり、
今や様々なメディアで
引っ張りだこの鈴木俊貴さんですが、
私が一番最初に知ったのは、
2023年8月ごろ、
ゆる言語学ラジオという
私の好きなYouTube番組でした。
そのなかで、この研究、凄いですね~
と言われてすかさず、
「いえいえ、僕じゃなくて
シジュウカラが凄いんですよ~」と
答えていた鈴木さんの顔が
とてもユーモラスでした。
朝早くから山に出て、
ずっと、何か月もシジュウカラを観測するという
言う所のフィールドワークですね、
その中からいろいろな発見、驚きがあり、
それを検証する、という地味な研究を繰り返されたのです。
そんなに早く起きなくてもいいんじゃないですか?
と、言われて、
「いえいえ、シジュウカラが起きていて
集まれ、と言ってるので、
僕も集まらないと・・・・」
と、さも当然のように言うのが、
なんだか、妙に笑えてステキでした。
アリストテレスの大昔から
言葉を持つのは人間だけだ、
動物は感情を鳴き声で表しているだけ、
というのが常識とされてきました。
それを覆し、
シジュウカラという小鳥が
「20以上の単語を組み合わせて
文を作っている」ことを世界で初めて解明し、
動物言語学という新しい研究分野を
打ち立てた研究者です。
しかも、人間以外の動物は、
シジュウカラの言語を理解している。
コガラ(という鳥)や、
リスなども、その言葉を理解している、
というのに、本当に驚きました。
世界は、互いに言語を交わしていて、
情報交換をしているのだとしたら、
人間だけが、それらの声を聞けないのだとしたら、
これって、
もしかしたら、ものすごく怖いことじゃないのか、
人間の言語と、シジュウカラの言語の違いは?
と聞かれて、
その発想自体が違う、と答えていました。
人間の言語だけが特別なのではなく、
それぞれの動物にはそれぞれの言語(らしきもの)があって、
ちゃんとコミュニケーションを交わしている、
と言われていたのです。
人間だけが特別だという思い込みが
たくさんの生き物の声を聞こえなくしている?
私には、そんなふうにも聞こえました。
考えてみたら、
これって革命的なことだと
改めて、興奮してしまったわけです。
人間の条件であるとされた
言語を使うこと、
というのが崩れるとすると・・・・
私たちが今まで見ていた世界が一変する、
それくらいスゴイことじゃないか、
と、まさに感動したのでした。
最近の動画で、インタビュアーから
こんなことを聞かれていました。
「この先、どこまで研究が進むのか
楽しみですが、
最終的に何を目指すのか、
目標を聞かせてください」
彼は、ちょっと小首をかしげ、
「ありません」と言ったのです。
「目標はありません、
ただ、シジュウカラが次々と、
新しい事実を見せてくれるのが、
楽しくてしょうがないのです」と。
養老孟子さんが書評の中で
こんなことを書いていました。
「好きこそものの上手なれ、と言う。
でも論語ではさらに上があって、
これを好むものは、これを楽しむものに如かず、
楽しんでやっている人にはかなわない」
鈴木さんはその境地に入っている、と仰っていました。
あれ?
鈴木さんも、目標志向ではなく
価値志向(わらしべ型)だったんですね。
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