元気塾Blog

老いをコントロールする時代

老化

「老化細胞」を除去することで、
老化を遅らせることはできるのか。

2024年秋、順天堂大学の研究チームが
老化細胞を除去する働きを持つ薬について、
人を対象とした臨床研究を計画している、
というニュースを以前、お伝えしました。

あれから、2年。
研究は、どこまで進んだのでしょうか。
「老化細胞」というキーワードが
注目されるようになって、しばらく経ちます。

あ、ちなみに老化細胞とは、
単に年を取った人の身体にある細胞、
という意味ではありません。

細胞分裂を繰り返した結果、
分裂を停止した細胞の中には、
そのまま死なずに体内に残るものがあります。

こうした細胞が蓄積すると、
周囲に炎症を引き起こす物質などを放出し、
組織の機能低下や、
加齢に伴う病気に関わることがわかってきました。

そこで、老化細胞を選択的に取り除くことで、
加齢に伴うさまざまな問題を抑えられるのではないか。
そんな期待から、世界中で研究が進んでいます。

2024年に紹介した順天堂大学の研究は、
糖尿病治療薬として使われている「SGLT2阻害薬」に、
老化細胞を除去する作用があるというものでした。

そして、その後。
2025年には、人を対象にした臨床研究が
すでに始まっています。

高齢者を対象に、
この薬が老化に伴う身体の変化にどのような影響を
与えるのかを調べる研究です。

ただし、現時点では、
人間の老化を抑える効果が
確認されたわけではありません。

動物実験などで見えてきた可能性を、
人間でも確かめようとしている段階です。

そして、2026年10月、
順天堂大学から、もうひとつの発表がありました。
今度は、アルツハイマー病の治療を目指す研究です。

アルツハイマー病の脳内に蓄積する
病的な老化細胞を標的に、
ワクチンや抗体を使った
治療法の開発を進めていくといいます。

老化細胞を取り除くという発想が、
単に老化を遅らせる研究にとどまらず、
病気の治療へと広がろうとしているのです。

もちろん、こちらもまだ研究開発の段階。
すぐに患者さんに使える治療法が
できたという話ではありません。
それでも、研究が少しずつ次の段階へ
進んでいることは確かです。

不老長寿は、
大昔からその時々の為政者らの果てしない夢でした。

長寿についてはともかく、
不老、老いないことへの欲求は私たちにとっても、
かなり切実かもしれません。

健康面でも、美容の面でも、
年々、衰えていくことを実感するのは、やはり辛いものです。
ピンピンコロリが理想だ、
と思っている人は多いと思います。
死ぬ瞬間まで元気でいられたら、と。

私も、もちろんずっとそう思っていました。
でも、どうなんだろうなぁと最近、思います。

母が亡くなる前の3年ほどの状態は、
決して健康とは言えませんでした。
要介護5、ほぼ寝たきり、そして認知症。

では、その3年がなかった方がよかったかと聞かれれば、
私は即座に、NOと答えるでしょう。

その3年の母の「いのち」が
私に教えてくれたことは、
想像を絶するほど大きなものだったからです。

老いや死は、恐れるだけのものではない。
そこには、積極的な意味もあるのではないか。
漠然と、今はそう感じています。

「老化細胞」の除去研究は、
これからも進んでいくでしょう。
老化を遅らせることができるのか。
健康寿命を延ばすことにつながるのか。
そして、老いや死との向き合い方まで
変えていくことになるのか。

50年、100年後には、どんな形で答えが出ているのでしょう。

それを見ることができないのが、ちょっと残念ですね~。

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